ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

陰湿ないじめ…? 

家は学校の近くで、多くの生徒が通学路として使う通学路上にあった。

家が火曜日の夜の集会場所だったので

火曜日の夜になると老若男女問わず

吸い込まれるように人が家に入っていく風景は

誰の目から見ても異様に映り、噂になっていた。

PM7:30〜8:30の集まりだったけど

当時の中学生は早朝の朝練、放課後〜夜遅くまで部活をする時代だったので

集会のある時間帯は部活帰りの同級生に目撃される。

人というのは「何かおかしいな」と思うと

いじめるんじゃなくて、距離を取る。

まさに腫れ物に触る感じで、遠くからヒソヒトと陰口をたたく。

気がつけば孤立。

 

お昼ごはんの時間に会話が聞こえて来る。

「家に突然来てキモい雑誌持ってくる団体知ってる?」

「知ってる、知ってる。輸血だめなことで問題になってるアレね…」

「うちも来たって。オカンが追い払うけど、懲りずに来る。ほんと迷惑。」

「あの雑誌、受け取ったらダメだよ。オトンが100円だからお金払ってさっさと帰ってもらおうと思ってお金払ったら、あれから何度も来るようになって。しつこくてこわい〜」

 

これはわざとなのか?わざと聞こえるようにJWの話題をして私の反応を見て、楽しんでいるのだろうか?

いじめとも断言できない微妙な会話が聞こえてくる。

JWは世間から冷ややかな眼差しを向けられていることは

伝道活動を通して痛いほど体現できてる。

でもダイレクトに聞くと自分を責められているような気持ちになり、公開処刑されているような気持ちになり、一言一言が胸に突き刺さる。

 

話しの流れで私に矛先が向かないことをただ祈って、存在を消すかのように小さくなってお弁当を一人で食べた。

 

次の日の朝、長い一日がはじまる憂鬱さを抱えて登校した。

登下校もお弁当も体育の授業も音楽室の移動もずっとひとりぼっち。

友達いないことを他のクラスの子に悟られないように、できるだけ平常心を保って

普通をよそおって登校した。

下駄箱の前に立って、目の前が真っ暗になった。

 

内履きシューズがない!

下駄箱にあるはずの内履きシューズがない。

 

下駄箱の付近のどこかに隠されたり、移動されたのか?

そう思い、一通り探してみたがない。

授業がはじまる…

仕方なしに、体育館シューズに履き替えて

カバンで足元が見られないようにコソコソ隠しながら教室に入った。

動揺していることを悟られないように

平静を装いつつ、悔しくて、悲しくて、涙を堪えて、顔をあげれなかった。

 

内履きシューズと体育館シューズは色が違うので

ひとりだけ浮いて見える。

とにかく目立つ。

 

トイレに行くのも、混んでる時間帯を避けて

サッと行って帰ってくるだけでも、みんなの目線は足元に向けられていることがわかる。

 

クラスメイトに犯人がいるのか?

他クラス?

上級生?(かばんがペッタンコなので生意気だと目をつけられた??)

誰?

 

クラスメイトがなにげない会話で談笑してる、

その笑い声が犯人かと疑ってしまう。

私が困っているのを遠くから見て笑ってる?

そう想像すると誰も彼もが犯人に思えておかしくなりそうだった。

完全に被害妄想の塊になっていた。

 

授業が終わってから全クラスのゴミ箱の中を見て回った。

他の下駄箱にまぎれてないか確認した。

学校周りの用水路も一周した。

けど、なかった。

 

その日の夜、母にシューズがなくなったことを打ち明けた。

一日中学校中を探したことも話した。

 

普通ならここで娘がいじめにあってることを察して、心配し

これはただならぬ状況だと思ってもおかしくない。

でも母は違った。

理不尽なムチをし続けたこたにより母の心理状況にも確実に悪影響を及ぼしていた。

人間ではなく、物を扱うような、粗末な存在でしかなかった私。

本人でさえも無意識レベルで「物扱い」そういう心理状態になっていた。

 

母にとっては、いじめより

 (私)にまた新しいシューズを買うお金が惜しい

その気持ちが勝った。

〈  お金の方が大事

 

「一回買ってあげたら親の務めは果たした」

「2回目なんてない。甘えるな」

「意地でも探せ」

「見つからなくても買わない」

一歩も引かない。

 

余計な出費なことはわかっている。

でも状況が違う。

シューズがなくなったことは、私のせいではない。

意地悪をされたのだ。

私は被害者なのだ。

 

これはシューズを使い分けるという最低限の学校のルールなんだ。

ルールを守らなければ、風紀を乱す。

あきらかにひとり違うシューズを履いていると目立つし、

シューズを捨てられて、いじめられてる子と捉えられる。

また新たな、違ういじめが発生するのではないかと

二次被害に及ぶことを懸念した。

考えただけで頭がおかしくなりそうだった。

 

上履きシューズと体育館シューズを兼用して3年間過ごすなんて無理!

ただでさえ、浮いているのに、学校のルールを守らないことで

晒し者になるなんてあり得ない。

周りにあわせられない奴というのは生きにくい世の中だ、日本という国は。

同調圧力、お母さんなら耐えれるの?

自分は無理なのにね?

 

娘が学校でいじめられている事実に

目を背けたかったのか

気づいていないのか

気づこうとしなかったのか?

自分には対処できない問題だから逃げた?

自分のことしか考えられない人だから気づくわけないよね。

王国に行くならそういった試練も耐えて当然と言われるんだろうなぁ。

 

私という人間を人として尊重してもらいたいなんて、無理だった。

親子だから分かり合えるというのは幻想。

うちの家では通用しない。

この人はわからないんだ

本当にわからないんだ

どんなに言葉を尽くしても

心を尽くしても

この人はわからないんだ

人の気持ちがわからない人なんだ

話が通じない

デリカシーがない

辛くて惨めで自尊心がボロボロになっている私の気持ちを無視し、

傷口に塩を塗るような言葉をわざわざ選んで言う。

子どもの気持ちに寄り添えないんだ。

この人は本当に何を言ってもダメで

ピンチの時でも助けてくれないんだ

私はめったのことでお願いしたり、おねだりなんてしてこなかった。

それでもダメなんだ。

私の人生の妨害をし、

子どもが厄介と感じるような親

神経疑う

期待するだけ無駄なんだ。

 

この時の根底に芽生えた思いこそが

私の生きづらさのペースになっている。

言葉や態度や躾の範疇を超えた精神的な虐待によって

自分は無価値で、人から愛される資格がないと

ネガティブな自己イメージを持ったまま育ってしまい

人を頼っても助けてくれないと悟り

人を頼ることができない人間になってしまった。

人を信用できない

誰も助けてくれない。

人に期待せず

自分でやった方が早い。

どうせ誰もわかってくれない。

心をひらいただけ傷つくだけだ。

人を頼らなければ傷つかない

自分で稼いだ方が早い。

 

毒親、ネグレクト、自己愛性パーソナリティ障害など、そいう言葉がまだなかった、そんな時代のある日の出来事でした。

 

 

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