ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

再就職活動、厳しすぎる現実

教習所のローンの支払いが終わった入社3年目の春、私は退職した。

石の上にも3年というが、我慢してまで無駄に3年働くのがバカバカしく思えた。

当時の職場は総勢150人ほどの小さい会社で、社内不倫が横行していた。

三角関係の不倫という昼ドラでしか見ないようなシチュエーションのドロドロした人間模様を間近で見るという、未成年には刺激的なすぎる環境でした。

フラれた中年男は未練タラタラで元不倫相手の悪口や仲良かった頃の秘め事を自分の子どもとさして変わらない、未婚の女の子に愚痴る始末。

人は関わる人によって人生が左右される。

家庭で十分すぎるほど底辺の大人を見てきて、職場まで劣悪な環境なのもいかがなものかと正直うんざりしていたし、低賃金の職場でこのまま働く限り、

一生この家から出ていけないのは明らかだった。

もっと収入のいい職場で働くしか母親から逃れられる方法はなかったのだ。

 

しかも働きながら就職活動をするという発想がなかった。

当時はまだインターネットはなく、就活はハローワークで探すのが王道の時代。

派遣登録して働くという働き方が世の中にまだ浸透していなかった時代。

ハローワークかタウン誌の二択が主流だった。

平日は働いているのでハローワークに行ける時間がないため、辞めてから仕事を探すしかなかった。

 

母親には相談せずに退職した。

なんでもかんでも口出ししてくる母親だったので事前相談はせず、事後報告に徹する。

そしていつものセリフ

母「なんで一言相談してくれなかったん?」

そしていつものように私は母に尋ねる

「相談していたらどうなってたん?」

 

「全力で反対して止めてあげたのに…。バカなことをして…」

うん。だから言わなかったんだけどね。と心でつぶやく。

 

そして続く

「なんでそんな勝手なことをするん?無職のあんたがタダで生活できると思うなよ。夕飯はこれからあんたの担当や。それから無職になっても今まで通り毎月必ず5万円は入れろよ」

 

無職でも家にお金を入れる上に、家事労働まで追加された。

ハローワークの求人票は採用人数1名の枠に応募が何百人と殺到するような

悲惨な椅子取りゲームの時代に、面接のため1日に3件くらいはしごする日々だった。

面接が終わって、家に帰って夕飯の支度を終えてから夜飲食店にバイトへ行く。

朝は洗濯を干してからバタバタと家を出て面接のはしごという

過酷な日々を送っていた。

バイト代は各種税金、健康保険料、家に入れるお金、母が勝手に契約した保険代に消えて行った。

母は私の顔を見るたびにネチネチネチネチ嫌味を言い続けた。

家にお金を入れず親の脛かじりをしていたのなら

何を言われても仕方がない。

だが家にちゃんとお金を入れて家事までこなしてるんだからせめてネチネチ言わないで欲しかった。

 

早くこの家から出たい。でも出れない。板挟み状態。

史上空前の就職氷河期、その背景には激しい就職難という狭き門を通る熾烈な椅子取りゲームの戦いだった。

一見勝ち組に見える優秀な大卒者たちでさえ就職は大変だった。

大学入るにしても学部によっては3〜10倍以上の高い倍率を勝ち抜き入学したにもかかわらず、次は就職活動の競争にも勝ち抜かなければならない。

高学歴・名門大学を卒業してても内定がもらえない、冷え冷えの就職氷河期

中には就職を諦め、多くの人がアルバイトや契約社員など非正規の仕事に就いていた。

ただの名もない、資格もない、家柄もよくない、取り柄もない、ないないだらけの高卒の私はいうまでもなく需要🙃はない。

私は仕事を辞めてはじめて現実を突きつけられたのだった。

 

…つづく

 

 

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