ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

普通の家庭に憧れた高校時代

…前回のつづき

火曜日の集会の日は母が出かけた頃を見計らって19時半過ぎに家に帰れば集会に連行されなくて済む。

木曜日は19時過ぎ、日曜日は犬の散歩に出かけ姿をくらます。

あらゆる方法で集会に行かないよう考えた。

今まではムチで脅して言うことを聞かせていたけど

自分の思い通りにならなくなっていく娘にいら立っていく母。

自分の言うことをなんでも聞いていた時の

自分の思い通りになんでもいく経験値がある分、

思い通りにならないことにイライラが抑えられない母。

 

「集会に行かないんなら学校の授業料は払わないから」と金銭面での重圧をかけてきた。

 

「普通の家庭」「普通の人生」に憧れてきた私はここで高校中退をし脱落人生を選べば

「普通の人」からまた遠ざかってしまう。

誰もが普通に手にしている「普通の人生」。

その軌道に乗りたい。

親が与えてくれなかった道なら自分で掴むしかなかった。

母が授業料を払ってくれなかったからといってそのために高校をあきらめるなんてことはしたくなかった。

別に勉強が好きなわけでない。

必要最低限の肩書が欲しかっただけだ。

世間は肩書が好きなのだ。

親が華々しい経歴がある子はクラスでも人気者だ。なぜか人が集まる。

政治家、社長、医者、ホワイトカラー・・・

幼い頃から子どもも縦社会について薄々気づいている証拠だ。

しかも恵まれた環境で育った子は私と違ってひねくれていない。

 

華々しい家でなくてもいい。

私の憧れる「普通の人」になるためには「中退」という選択肢はなかった。

まさか母から教育虐待されているなんて言えない。

言ったところで、理解してもらえないし、

信じられない。ふつうは〜と言われたところで母を取り替えてもらえない。

ストレスが溜まるだけだ。

私の母はこの人なのだ。

 

嘘でもなんでもいいから、見栄のため、ハッタリでもいい「普通の家庭の子」のフリをしたかった。

 

定期代は自力でカバー。

公共交通機関を利用するとなると、バスの定期代、電車の定期代がかかる。

その分は今まで通り、自転車でカバーできる。定期代はかからない。

あとは高校の授業料を払うために、夏休みはかけもちで働くことになった。

フルタイムで工場で仕事。朝の8時から16時45分。

それが終わって、急いで夜ご飯を食べて、夜。別の工場で働く。

夏休みに貯蓄しておかなければ、授業のある月はカバーできない。

 

母に2/3とられると一日働き尽くしても、手元には全然残らないのだ。

時給700円だとしたら、私の手取りは時給230円ほど。

時給800円だとしたら、私の手取りは時給260円ほど。

朝から晩まで働き尽くしても母親に持っていかれる分が多いので

夏の出稼ぎでさえも手元には6~7万円ほどしか残らなかった。

 

通常なら就職に有利になるように履歴書、経歴書に書ける資格を取るために検定試験を受けるのだが、その検定試験も3~4,000円する。

その試験料を捻出するためには13時間働かなければならない。

でも授業料以外にも細かな出費や費用が発生するので

お金を常に少しでも貯めておかなければ不安だった。

検定料3~4,000円を払ったことによって授業料が足りないとなったら卒業できない。

そういう不安が常にあった。目先の不安に気を取られ、いざ就職活動をする高校3年生になった時点で、履歴書に書ける資格を何一つ取っていなかった。

普通の家なら就職に有利だからと、親が子どもに発破をかけて勉強をさせ、

やれ大学だ、やれ検定試験だと受けさせるのだろうけど、うちの家では、将来を見通せるまともな判断ができる大人が存在しなかった。

 

学業がおろそかになるから、家に入れる分を免除してくれるよう母に何度もお願いをしたが

「それが嫌なら今すぐ荷物をまとめてここから出て行け。親の務めは義務教育までや」

「それなら学校を辞めればいい。3人も子供を抱えて大変なのは見てわかるのになんで助けようとしないの?お姉ちゃんがお母さんを支えるのが当たり前なのになんでそれが出来ない?」

卑怯者だと責め、同情を誘う様な言い方で私を黙らせる。

 

責めて家に入れる分を一律月1万円と固定にできないか。など代案を出した。

事情を話して、授業料と2/3家に入れるとなると、どうしても金銭的に無理があることを何度も伝えた。

 

「免許取るにもお金がかかるから、その分を貯めてあげるから」

と母が言った。

当時で免許を取るのに2~30万くらいかかった。

田舎なので車がないと生活ができない。一人一台持つ、車保有者が多い県だから

就職と同時に車も必要だった。

まぁそれなら…ということで、条件をのんだ。

ところが人間不信になることが起きる。

…つづく

 

#盗まれた幼少期   #カルト宗教 #カルト #宗教 #宗教2世 #宗教二世 宗教二世問題 #JW #jwoig #exjw #エホバの証人 #毒親 #法律 #元二世信者 #カルトの世界 #聖書 #宗教 #デマ #宗教中毒 #JW #新興宗教 #マインドコントロール #洗脳 #カルト集団 #脱洗脳 #壊れた家族 #母子家庭 #家庭内牢獄 #支配 #ママハラ  #子どもハラスメント #教育虐待 #人権無視 #妄信 #アイデンティティ #娘の人生乗っ取りマザー #自己愛パーソナリティ障害の母 #人格障害の母 #愛着障害の子ども #スキーマー #コントロールマザー #母親がしんどい #母がしんどい #母親が重い #母が重い #母という呪縛 #娘という牢獄 #教育虐待 #家庭内暴力 #育児放棄 #鞭 #ムチ