ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

氷河期世代の宗教2世の就職活動

どうやって生きづらさから乗り越えられたか…の話しを進める前に

その過程に過去の出来事が結びついてくるので、再び過去に遡る。

 

高校3年生、就職活動の時期に戻る。

家庭の中では就職活動について相談できる大人がいない。

母は世界が終わる、終わりの日が近いと頭の中はそれだけに占拠されていて

私の将来を考える余裕なんてない。

当の本人でさえ、高卒の称号を欲しかっただけで将来について考える余裕もなければ、進路って何?という、そもそも社会の仕組みを全く知らなかった。

学費が払えるか、今期はお金がいくら足りないか?そんなことに躍起になっていて

目先のことだけで精一杯で、肝心の学業が疎かになっていた。

その上、将来のことも、”就職”の意味を知らなかった。

確かに中学入学すれば、教師は口々に先輩たちの過酷な受験戦争について語り、

高校入学すれば、先輩たちの過酷な就職難について語り、

お前らも覚悟しとけ!と言っていた。

 

団塊ジュニア世代。

上級生は特に人口ボリュームが大きく「第2ベビーブーム世代」と呼ばれ、

高校・大学受験も今よりも遥かに高倍率だった時代。

今では大学入学が当たり前の時代で想像もつかないと思うが、

当時は倍率は20倍以上、大学受験浪人もザラで多かった。

壮絶な受験戦争に始まり、就職難、出世競争と重要な局面で激しい競争にさらされてきた恵まれない世代。

就職は、東京や関西の大学に行かないと、まともな所が無いと言われた時代。

大卒でさえ就職率は約55%。大学を出ても2人に1人しか就職できなかった私の時代。

男性でさえ有名大学に出ていても就職できない時代。

就職氷河期の煽りを受け、高卒も同様に厳しかった。

一流企業の枠はまじめに学校生活を送り、検定試験を取得した子に、当然ながら優先的に斡旋された。

一流企業には、一社にたったの数名の内定にかかわらず、何百人という応募がある。

 

母は世の中がこんな状況になっていることを知らない。

というか知ろうとしない。

輝かしい楽園のことを考えていれば現実逃避できるのだから。

なにかうまくいかないことがあれば世が悪いと努力しないで責任転嫁して逃げればいいのだから。

 

就職活動ですら、高卒は未成年なので保護者の同意が必要で、それが厄介。

わかりますか?

話しの通じない人のフィルターが入るということが。

母親を通過しなければならない案件ほど、私からすれば

足を引っ張る母親の存在は、生きていく上で「邪魔」なのだ。

 

当時は美容院で働きながら技術を教わることができたので

金銭面で専門学校に通えない私には夢のような、希望に満ちた世界だった。

心を躍らせて求人票を家に持ってかえって見せるも、

「不良の行くとこや。なに考えてるの?受刑者が刑務所から出てきてやる仕事や」とか

「日曜日、集会に行けなくなる」←まだ私が戻ることを期待している

水を触るから”水商売”と一括りに嫌悪感を表す。

一体いつの時代の話をしているのだろうか?この人は…。

エホバの教えを守っていれば心が広いらしいが(←自称)

世間知らずで、差別に満ち、何もかも否定、母ほど心の狭い人は知らない。

器が小さくて、これが私の母親だと思うと嫌悪感に満ちる。

 

また求人さがし。

その間にどんどん求人が減っていく。

 

当時はまだ珍しいITやゲーム業界の求人票を持ち帰っても

頭のかたい母は、一括りにサタンと決めつけ

「絶対ダメ!!何考えてるの?ゲームなんてサタンの喜ぶこと!」となる。

どの求人もサタンになってしまう。

 

この母がいる限りは、”世の世界”で就職することは困難。

気が付けば季節が移ろい、私以外は就職または進学が決まっていた。

 

担任に就職しないと伝えると(この母がいる限り就職できない、という方が正しい)

就職難の中、就職率が高い”高校”であることを世間にアピールしたい学校側は数字にこだわる。

学校側は就職を決めずに卒業することはできないと葉っぱをかけてきた。

親の理解が難しいから就職するのは難しいことを伝えると、特別に母に学校に出向いてもらって求人票を見てもらって決める流れになった。

その時点で、ほとんど求人票は残っていなかった。

 

椅子取りゲームの椅子が足りなかった上に、このゲームに負けたのは私という図だった。

 

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