ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

中3 、進路問題

時は流れ、中3

JWの世界では当時、進学が容易には認められず

また一般企業への就職も良しとされない風潮があり

終わりの日が近いのだからと"伝道活動"が優先され過ぎて2世たちの生き方が極端に狭められていると感じていた。

私は早くこの不自由な鳥籠のような世界から抜け出したかった。

当時のJWの風潮から、高校に行かないのが当たり前。行っでも通信制定時制高校。

日中に伝道活動ができるからという理由からだ。

そんな環境でいたから、子どもの頃から将来の夢なんて持てなかったし

母親の考えを突破するには極端なことはできず

定時制高校ではなく、せいぜい昼間の高校進学を希望する程度のことでも説得が大変なのだ。

大学進学なんて選択肢にすら上がらなかった。

(社会に出てから、多くの人が大卒であるのとに衝撃を受けた)

 

いよいよ、私が夢に描いていた高校生活が目前。

さらば奉仕活動、

さらばルーティンのように集会に行くこと、

さらば終わりの日。

これからはバラ色の人生にするぞ!と心に決めてから2年。

この日を待ち侘びていたけど、実際親に進路のことを打ち明ける勇気もタイミングもなかった。

それだけ、無闇に本心を打ち明けられない。

なぜなら自分がしゃべった言葉が

回り回って自分にどう戻ってくるか

戻って来た時にはどういう状態で戻ってくるかまで全部計算しないと喋れない。

うかつに言葉を言い間違ったらムチされるか

全力でそれを阻止しようと躍起になって邪魔をするか。

母親の頭の中がそれ一色になり、全力でコントロールしようとしてくる。

見ざる言わざる聞かざる3猿には、先回りした知恵が必要なのだ。

 

最初の進路三者面談の時、母を前にすると簡単には高校進学したいと言えなかったが

母が思いもよらないことを言った。

中学を卒業したら、地元の病院で

働きながら看護の勉強をさせたいというのだ。

 

今もあるのだろうか?

当時は病院で働きながら、看護師を目指す人を育成するため、病院のすぐそばに寮が完備されていた。

中卒でもOKだった。

 

私は母の考えには断固無理があると思った。

自分には絶対向いていない職業だ。

医療従事者はそんな甘くはない。

命を預かる仕事だ。

瞬時の判断力、洞察力といったポテンシャルの高い能力が求められる。

咄嗟の事態に機敏な考動力が求められる職業だ。

 

母親の支配下の元で

自分の考えや気持ちを徹底的に否定されて

コントロールされ

思想弾圧を受けてきた人間の性格をわかってない。

自分が間違っているとも思ってもいない状況でも

母がダメだと判断されたらムチという凶器で容赦なく叩かれ育ったらどうなるか。

自分の思ってること、考えてることが

正しいのかどうかさえもわらなくなり

思っていることを容易に発言できなくなるし

そもそも劣悪な生活環境で育ったら

自分の判断に自信がなくなり、

母親の顔色を伺い、母親の考えや価値観を押し付けられ抑圧されてきたら"思考停止状態"なのだ。

従順であることを強要された結果、

考える力が退化して当然の環境なのだ。

人生を搾取され、母の敷いたレールしか許されない世界で生きていたら、母が間違っていようが関係ない。

全てが母中心で、母次第なのだ。

自分の頭で考え、自分の意見を言うことを徹底的に潰され、とことん否定され、自信を失い、死んでるかのように生きてきた人間が…。

 

指示待ち人間を製造した張本人は

自分の子どもがその職務に向いていないことさえもわかっていないのだ。

誰の目から見ても無理だ。

 

どうせ輸血が必要となる現場になったら、

「信仰のためできませんと言え」と言うだろう。

いとも簡単に。

 

火、木、日は集会があるからシフトを外してもらうようにと平然と言ってのけるだろう。

この母親なら。。。

 

一人前になる前に一丁前に権利だけを主張する、

役にも立たない人間を誰が雇い、

誰が一緒に働きたいと思うだろうか。

なんの戦力にもならない、足手まといの人間を。

普通に考えたらわかること。

無理があるということは一目瞭然だ。

その普通の考えを持ち合わせていないのが私の母親だ。

自分が逆の立場ならできるのだろうか?

宗教的教義、一般的な感覚とはかけ離れた道義的教義を、自分とは別人格の子供に無理難題を押しつけ

完璧像を求める。

苦しむ姿をわざと見たいのか?とさえ思う。

子(二世)の苦悩は、永遠に親(一世)には理解されない。

 

医療現場では輸血は避けて通れない。

それを信仰のためにできないと貫く姿勢は、

「絶好の信仰の証」と言わんばかりに

「熱心な態度を見せる絶好の機会だ」とむしろ喜んでいるようにも思える。

それで王国に行けると思っているのか?

それともみんなから信仰深いと絶賛されているあの子(姉妹)と比べて、それを子にも強要して

自慢したいためか…?

私には無理だ。信仰がないのだから。

 

給料がいいことに目が眩み、自分が早くラクしたいから、私に働かせて、給料はしっかりいただくが

信仰という権利も主張して当然とばかりに虫のいい話を考えているのか…理解に苦しむ。

 

子供の立場で考えたり、

どんな嫌な気持ちになるか想像してみたり

子供の気持ちと向き合おうという気すらなく

自分の考えを押し付けてくる。

中学という多感な時期に

自我が芽生えだしてから

日に日に母親とのコミュニケーションが困難になっていった。

 

どこまでもレールを敷きたがる母。

子供の人生は私のものとばかりに口を挟む。

母親が望むように生きるくせみたいなのが根付いていたが、母が望むように生きるのは嫌だった。

母とはいつまでも平行線。

永遠に意見が一致することはない。

 

本心を言うことも、本心を顔に出すことも

考えることも許されない環境。

果たして、私の進路はどうなることやら…

つづく

 

 

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