ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

【番外編】神の子はつぶやくを見て

前回のつづき… ではなく

今日は横道それて、先週放送された 

NHKスペシャル ”神の子はつぶやく” を見ての感想を。

 

過去ずっと宗教問題についてメディアが報じることについてかなり消極的だった。

今でこそ2世の人が声をあげてSNSで配信したり、本となっているが、

私が宗教から、母からの支配から逃れたい一心で、探し求めた時には図書館や書店にはJWを糾弾するような著書はなく、またJWに限らず宗教に関する告発本がなかった。インターネットなどまだ世の中になく、情報があまりにもなかった。

心理学、哲学、医学書(精神疾患)の専門書を読み漁っていた。

本当に情報がなかった。

だから襲撃事件をきっかけに、宗教2世が世間に注目を集めるにつれ、似た思いを持つ人が大勢いることを知ったけど、当時の私は反教心を持つのは私くらいかなと思っていた。

世間でも2世の苦悩が認知され、世の中に浸透していき、声をあげれる社会になったことは前進したといえます。

 

統一教会ヤマギシなど報道されていたこともあったけど、宗教の本質的なところ、ヤバさはあまり報じてなかったと思う。

空白の30年が生じた大きな理由は、メディア側の「宗教を敵に回すと面倒くさいことになる」という意識があったからだと思う。

"懲らしめのムチで亡くなった幼児の事件"はセンセンショナルで注目されてもおかしくない事件でさえ、カルト信者=ヤバイ奴、呪われる、宗教は面倒とばかりに、トラブルを避けるマスコミの姿勢があらわれており、あまり大々的に報道されなかったので当時から違和感を感じていた。どうでもいい芸能スキャンダルは報じるのに…。

 

さて、このドラマの母親は割とマシ

”ソフト”な人格だと思った。

私が思うに2世の親にある傾向として、宗派によっても異なるとは思うが

私の母の場合、表向きは穏やかで柔和な笑顔でも

家の中では常にイライラ、ギスギスしていて、家では絶対的権力を持っていて、自分の思い通りにならなければ癇癪を起す。元2世の苦悩を見てると大体母親と似たような人が多いイメージ。

全員ではないけど、そういう傾向があるということ。だから多くの二世がフラッシュバックで今でも苦しんでいる。

でもそのままドラマにするにはハードすぎる。

そこは1世の配慮もあったのだろう。

そして、最後娘の言葉に我に返る。そしてハッピーエンドで終わったが

そう簡単に「洗脳が解けない」のが現実で、痛いところを指摘されるとムキになるから難儀なのだ。

ここでハッピーエンドにしておかなければ、ドラマが成り立たないから仕方がない。

 

本題に戻ろう。

ドラマで印象的だったのは

クラスで孤立しているハルカ

「お祈りさん」というニックネームがつけられて、主人公のハルカを嘲る、罵る、馬鹿にする同級生。

マウンティング女子からの嫌がらせに対抗して”祈るシーン”。

「どうか無理解な者たちをお許しください」

神様の存在を信じていないのに心を祈ることで自分の傷ついた心を誤魔化すハルカ。

私も中1の時は孤立していたので、痛いほどわかる。

あれもダメ、これもダメ。イチイチすることなすこと親の許可を取らないとできない。

勝手にやればいいじゃん!と言われるが、おこずかいがないからできない。

どこか出かけるにしてもお伺いを立てなければならず、

お願いしたところで問答無用で「ダメ」「サタン」と即答されるのがオチ。

これではまわりから浮いてしまっても仕方がない。

年頃の女の子が他の子と同じことができない屈辱は相当なもの。

小中高校の狭いコミュニティの中で、好き好んで人と違うことをしてるわけでない。

同調圧力が強い日本社会では2世は生きづらい社会なのだ。

でも傷ついた心を認めてしまうと崩壊していまうので、本心を見ずにギリギリのところで信じてもいない神様に”祈る”というカタチで現実逃避しているのだ。

 

さすがホステスママ。人間を見る目の眼力。鋭い人間観察力

「あの子ね。断らないのよ。客に言われたとおりになんでもやっちゃうの。

自分でガードできないのよ。危なっかしいわ。

ああいう子は親が異常に厳しかったか、虐待されてたかよ」

2世あるある、後遺症の部分を明確に言語化してくれたなぁと思いました。

2世は親の言いなりになるしかなく、自分の意見や気持ちが優先されたことがないから断ることに慣れていない。

絶対的権力を持った女王様である母親が家の中を牛耳っていたから。

 

軽い症状でいえば

アパレルショップに行って、服をみていたら店員さんが寄って来て、そんなに気に入ってもいないけど、ついつい断れなくて買ってしまう。

他の人と仕事の配分があきらかにおかしいのに、

押し付けられても強く断れないとか。

やさしい性格であることをいいことにセクハラされるとか。

きっと断れない、Noが言えない環境で育った弊害は数十年たった今でも生活の中で影響がなにかしら残っている。

重いケースになると、断れない状況で育った心理を巧みに悪用して性被害にあった元2世もいる。

痛ましい。浅ましい。残酷過ぎて言葉が出ない。

育った環境が子どもの人格形成に大きな影響を受けることは間違いありません。

 

カルト×毒親だと生き地獄になる

宗教の教えにどっぷりハマってしまうのは、不安症、不安体質の人が多い。

その状態で結婚し、親になると子どもの自我が目覚める事で更なる不安が増え

自分の支配下に置けなくなる事が恐怖なのだ。

だからまだ小さい内に体罰を加え、無意識に恐怖心を植え付ける事で

子どもをずっと支配下に置こうとするんだと思う。少なくともうちの親は。

 

子どもを監視・支配する(机の引き出し、カバンの中身、着信履歴、SNSの送受信など勝手に見るなど)

自分の価値観や理想を押し付ける(信仰、教義)

威圧的な態度を取ったり、子どもの人格を否定して支配し、マウントを取る

当事者の親は「自分は正しいことをしている」と思い込んで疑わない。

知らず知らずのうちに子どもを傷つける親になってしまっている。

家は安らげる場所ではなく、ハラハラする場所で

母から愛情と呼べるものを受けた自覚もないまま育つ。

懲らしめのムチという暴力で恐怖を植え付けることで兄弟間の中でもスパイができる。

弟は"男の子"だからという理由でムチに関しては割と甘かった。

男の子といえども力では負けてしまうことを薄々感じている母は力の弱い娘に矛先が集中する。

兄弟間でも親の差別が入る。ムチが平等に行われなかったことを理不尽に思った。

普段から男の子だからといって優遇されている弟でさえ、自分に矛先が向かないように、姉である私に母の注視が行くように事細かに母親に密告、母のスパイとなり監視してはチクる。

こうやって家庭内でも恐怖で人を操る仕組みが出来上がる。

家族でさえ信じれなかった。

家族でも、兄弟でも残酷になれるのかと思った。

入信したきっかけは家族が幸せになれるはずだったが、結果家族バラバラになった。

その根源には宗教があって、宗教によって私たちの家族は不幸になったという側面はある。

しかし、より根本には、母自身が宗教に頼らなければ生きていけないほどの弱さと自己肯定感の低さと依存体質にあったと思う。

それに付随して今起こっている現在進行形の問題や悩みがあり、耐えきれない精神状態にあったこと。

それを相談できる人がいない状態で

戸別訪問に来た人に心を許し、

藁をもすがる思いで入信し

“信仰させしていれば幸せになれる”

"祈ってさえいれば幸せになれる"

現実逃避に走る。

現実から目を背けているだけだから問題は何一つ変わっていないし、

問題と向き合わないから解決しないし

気がついた頃には解決できないくらいに問題が拡大していく。

ますますパニック。

負のループ。

お祈りしてさえいれば…。

会衆に通えば…。その瞬間は現実逃避はできる。

祈ることで解決できている(と思っている。)

 

NHKスペシャル シリーズ ”宗教2世”

子どもから言われてようやく洗脳から目覚めたシーン。

「何かをしようとしても、だめだめって全部もぎ取られるのに、どうやって飛び立てると思うの?」

 

この方はかなり素直で柔軟性がある方なんだと思う。現実にはそう簡単にいかない。

ハードな親は自分の非を決して認めないし、自分が間違っていたとも思っていない。

 

現役エホバの証人
「反対の意見を言われると…よろいを着ちゃう」

この一言に集約されている。

反対されればされるほど、終わりの日が近いと結託する。

世の中の全てのエホバの証人以外の団体、組織、考えをこうも敵視出来るものかと子供ながらに恐怖を覚えた。

とある団体のことを、詳しく調べたわけでもないのにハナから否定する姿勢。

すべてを「悪」「サタン」「悪の傘下」と感じ批判的な感情が剥き出しになる。 

家族より宗教、神様を優先する。

危篤であれ、葬儀であってもだ。

その精神構造は深刻でゾっとするものがある。

JWは一糸乱れぬ、統制の取れた組織で「揺るぎない信念」として有名な組織。

聞く耳を持たず、全く融通の効かない、頑なな思考はカルトイチで、洗脳を解くのもカルトイチ難しいのではないかと思う。

一種の密閉空間・密閉コミュニティを作りあげ

柔軟な考えを取り入れられなくして、深刻化していく。

 

さいごに

世の中には宗教要素のあるものがたくさんある。

スピリチュアル、人生を成功に導く自己啓発セミナー、マルチ商法

胡散臭い健康法・健康食品など宗教的要素のにおいがする。 

答えを保証してくれないものを絶対的だと信じ込む。信じ込ませる。

例えば、誰も地獄を見たことがないのに、地獄を怖がる。

誰も王国・楽園があるという確証がないのに、信じる。

長生きした実証がないのに薬やサプリメント(時として漢方として)

これさえあれば病気にならない、病気が治る、救われると信じる。

これさえやれば成功者になれるとか。

何をもって成功というのか定義があいまいなものなど。

自分で考えるのが面倒だから、これさえ実施すれば成功する、

遠回りしたくない、バカにした人達を見返したい、ラクをしたいという人間の弱さにつけこんでいる。

高いセミナーであればあるほど価格対効果が得られるのではないかという錯覚を起こす。

 

不安・恐怖に支配されている人は「不安・恐怖」に意識を向ける。

意識するからどんどん不安が増大する。過剰に反応するから不安・恐怖に支配され、正常な判断ができなくなる。

過敏になっているので、本来危険ではないものまでも必要以上に不安や恐怖を抱いてしまう傾向にあり、”恐怖心に操られている” 少なくともうちの母は…。

 

最終的には「問題と」「自分と」向き合わなければ、なにも解決しない。

残念だけど急がば回れ

近道したくなるけど、時間がかかっても、遠回りになったとしても

悩んで考え抜いかないと問題は解決しない。

孤独の中で否が応でも自分との対話が増える。

今は苦しくて、うまくいってないように見えても

それもうまくいってることの一部だと、苦しい時こそ、そう言い聞かせて。

大きな視点でみれば、プロセスの途中。

私は母のように逃げたりしない。

 

 

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