ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

研究者、伝道者

私の生活の中で、たけみちゃんと聖書研究する時間も

たけみちゃんや母に伝道に連れていかれることも

生活の一部になった。

小難しい言い回しの書籍研究は苦痛の時間でしかなかったが

じっとしていないとムチで叩かれるので

「はい聞いてますとも!とてもいいお話を!」と言わんばかりに

背筋を伸ばして聞き入るフリをすることにも慣れ、

週3回の集会の前には、事前準備(予習)といって

「書籍に下線を引いて」熱心なフリをすることも、

手を挙げ、発言して熱心でいい子アピールすることも、

私の中で当たり前の時間になっていった。

 

集会に通いはじめの時は、退屈な話を微動だにせず、聞くことなんて到底無理で

あくびをしたり、居眠りをしてしまうことがあったが

別室に連れて行かれ、母からムチで叩かれる恐怖を思うと、いい子を演じることで自分を守っていた。

週3回の集会は座禅を組む修行のような時間だった。

この修行のおかげで1時間程度なら足を崩さず、正座することができるようになった。

正直なところ、この宗教活動に費やされる時間は苦痛でしかなかった。

胡散臭さに気づきながら毎日誤魔化しながら過ごす日々。

気が付けば、「研究生」と呼ばれるようになり、

しばらくしてまた気がつけば「伝道者」と呼ばれるようになった。

伝道者になりたいと言った覚えはない。

なぜならシステムを理解していれば、「伝道者」になんて自らなろうと思わない。

伝道者になった時点で、月々の最低伝道時間(ノルマ)を達成しないといけない。

月末になると、伝道時間の報告書を提出しなければいけない。

前半にテスト勉強であったり、天候悪化で奉仕に行かない日が続くと

月末にしわ寄せがきて、足りない時間分を学校から帰って来て夕方からの伝道に充てなければならない。

そして、「神権宣教学校」といって木曜日の夜の集会での

「割当」が月1、2回の頻度で順番がまわってくる。

身近にいる、近所の人、学校の友達、学校の先生、職場の同僚などなど

仮の人物を設定して、シチュエーションを考えて、世の人が抱えてる問題や疑問を

聖書を引用して、解決していくというストーリーを大勢の前で発表するのだ。

小学生でマイクを握ることなんてそうそうない経験だ。

大勢の人の視線がこちらに向けられる中、お芝居形式のハッピーエンドな話を作って発表する。

現社会はそう簡単にうエホバの証人の教えに興味を持ってくれる人なんていない。

世間から見れば、カルト宗教だから。

伝道活動をして興味を持ってもらうことは、そう簡単ではない。

実際問題興味を持ってもらうことはなかった。

子どもだからという哀れみで書籍を買ってくれる人や寄付金をくれる人が

たま~にいる程度で、宗教に興味を持ったからではない。そういうのは肌で感じるものだ。

宗教活動に興味を持ってもらうことの難しさ、厳しさは伝道活動でしみじみ感じていた。

だけど、神権宣教学校の割当に登場するストーリーがなぜか、

最後に研究に誘うことに成功したり、

集会に誘うことに成功したり、

書籍に興味を持ってもらえるという流れになるというオチがお決まり。

子どもながらに「なんだ?このおめでたい能天気なストーリーは?

シナリオ通りに行くわけないがな!」と思っていたが、そういう構成で話を作らなければいけなかった。

今思えば、よくできた洗脳システムで

「みんなは成功体験をしていて、できていないのはあなただけですよ。

 さぁ、もっと伝道しなさい」というメッセージ性が込められていて、

伝道活動(奉仕活動)を熱心にさせるよう仕向ける、洗脳術のひとつだったり…。

本当にいい宗教なら勧誘なんてしなくても人が集まるものです。。。

 

 

#盗まれた幼少期   #カルト宗教 #カルト #宗教 #宗教2世 #宗教二世 宗教二世問題 #JW #エホバの証人 #毒親 #法律 #元二世信者 #カルトの世界 #聖書  #異端 #サイビ #宗教 #デマ #陰謀論 #宗教中毒 #JW #新興宗教 #マインドコントロール #洗脳 #カルト集団 #脱洗脳 #壊れた家族 #母子家庭 #家庭内牢獄 #支配 #人権無視 #妄信 #アイデンティティ   #自己愛 #スキーマー #母親がしんどい #母がしんどい #母親が重い #母が重い #母という呪縛 #娘という牢獄 #家庭内暴力 #育児放棄 #鞭 #ムチ