ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

「自分の頭で考え抜く」 離れなければ!

どうすればこの生活から抜け出せるか…

考えなきゃいけない。

 

中1の時に授業中にふと

母からとJWから抜け出す計画がひらめいた。

この生活から離れなければこの先、本当に自分がダメになってしまうとはっきりわかった。

私の中で失われていた"自我がようやく芽生えた"

母親軸だった生き方から、はじめて自分軸に傾いた瞬間で、なんで今まで気づかなかったのか!と悔やむ気持ちと新しい世界への期待とが入り混じった複雑な気持ち。

そんな中でも私の頭の中で仁王像のような顔をしたサタンと白いベールのマントを着たエホバが出てきて、ふたりが私を試しているような気持ちになった。

私、今サタンを喜ばせてるのかな?と脳裏をよぎる。

あ、そうだエホバは無形の姿なんだ💦

姿を消さなきゃ…失礼にあたる…

失礼しました。はい、invisible!

頭の中のエホバを消しゴムマジックで消したこと…数知れず。

 

サタンを喜ばせていようがそれでも私は人生を変えたかった。

自分の意思で母から逃れなければ。

JWから離れ、人として、至極真っ当な、ただ普通の、そこらへんにいるティーンエイジャーとなんらかわらない、至って平凡な、まともな人生を歩みたいという意思が明確になった瞬間でもある。

 

でも問題は年齢。未成年かつ義務教育という壁。

中1で家を出ても、非行少女になれるほどの度胸がなかった。

小学生の頃、友達の家で見たドラマ「ヤヌスの鏡」「この子誰の子」が衝撃的だった。

もちろん母には内緒で友達の家で。

主人公の生い立ちと自分を重ね合わせて見ていた。

厳しい家庭環境で育ち、家に居場所がない主人公。

次第に自分のキャパシティを超えた人的外傷に耐えきれなくなり拒否反応で多重人格になるストーリー。

この主人公のように多重人格になって、もうひとりの人格、別人格で凶悪な不良少女が自分の中にも現れてくれたらいいのになぁと憧れた。

このドラマの事前学習の影響で、非行に走っても、明るい未来が待っていないことをなんとなく察していて、人生長い目で見れば中学生での家出は適切ではないとあきらめた。

 

当時のJW2世は高校に行かずに、または通信制の学校、定時制の学校に通いながら昼間は特別開拓者、正規開拓者になるのが通例の雰囲気があったが

それの道だけには絶対行きたくなかった。

そこに一歩踏み入れたら、ゲームアウト。

JWの世界から二度と抜け出せないような危険を感じていた。

親にレールを敷かれる前に、なんとか逃れなければ…。

 

親の手前、説得してまで大学に行くという発想は毛頭なかった。

大学なんて行かないのが当たり前の世界に身を置き

そんな環境で育てられたら、悲しいかな私の人生に大学という文字は選択肢にすら入らなかった。

 

これから一人で生きていくためには最低限でも高卒の学歴は必要だと思った。

普通科だとまわりが進学する。それを後目に私の置かれている家庭環境を嘆いても

人が羨ましくなり肩身が狭くなるだけ。

だから普通科は選択肢に入れなかった。

普通科の学校はバイト禁止のところが多かったので

早く家を出たかった私はバイト可能な専門高校に決めた。

バイトをしながら家を出る資金を貯めよう。

バイトがみつかったら高校在学中でも家を出よう。

あとは高校に進学することを母を説得するだけだ。

説得理由は…時間があるからゆっくり考えよう。

この生活もあと2年の我慢だ。

この計画を母に悟られないようにしよう。

私がこんなことを考えていることを察知されたら邪魔される。

だから母の目を誤魔化すために、優等生のふりをして過ごそう。

計画がバレないように、集会の事前準備も怠らず伝道活動もして、母親の目を誤魔化した。

 

高校デビューのシナリオを描くのが楽しくて

新生活を想像するのが楽しくて

今までできなかったことをしてワクワクした。

クラブ活動もいいなぁ。

友達の家に泊まることもしたい。

まだ行ったことないマクドナルドに行きたい。

流行りの服を着て

流行りの髪型をして

新しい世界の自分の姿を想像したらものすごく前向きになれた。

流行りの音楽を聞いて

みんなとカラオケに行きたい(ちょうどカラオケBOXができたばかりの時代)

全てが楽しみでしかたなかった。

高校デビューのためにクラスで人気者の人間観察して研究を重ねて、人生をリセットした暁にはその要素を自分にも取り入れようと参考にした。

妄想が楽しくて、つまらない集会の時間も2年後のことを想像して時間をしのいだ。

つまらない世界から明るい世界へ飛び込む気持ちを想像すると

楽しみでしかなかった。

私には暗闇の中で見つけた希望だった。

 

物事がいい方向に向かいはじめたちょうどその頃、

行方不明になっていた私の構内用のシューズがみつかった。

川に捨てられているのを弟がみつけてくれたのだ。

川と言っても流れのない泥川で、盗難にあった時、構内中、学校の周辺、

当然川もさがした。その時はなかったのに。。。

シューズの状態から見ても川に捨てられたのは最近のようだった。

でもそんなことどうでもよかった。

捨てられたシューズに名前が書いてあって、正真正銘私の物だと確信。

傷んでなかったことも不幸中の幸いだった。

中学生活3年間、体育館シューズで我慢しなければいけないと思っていたから

どんな状態でもみつかってくれればそれでいい。

シューズを拾い上げてもらい、家に帰って洗剤で洗うと元通りきれいになった。

「あぁ。これからトイレ行く時も教室を移動する時もやっと堂々と歩ける。

人の目を気にしなくていい。」

それだけでもホっとした。

 

でも母親はこのシューズに嫌がらせをした。

シューズのかかとの部分にも、側面にも、内側にもあらゆるところに名前を書いた。

シンプルなシューズが、名前をちりばめた総柄のようになっている。

油性ペンだから消えない。

せっかく堂々と歩けると思ったのに、またコソコソ歩かなきゃいけない。

 

こんなことをしてほしいんじゃない。

このシューズを見て、誰がどう見ても

「頭がおかしい奴にしか見えない」

それか

「イジメで落書きされたようにしか見えない」

せっかく見つかって胸をなでおろしたところに母の嫌がらせ。

相変わらず助けて欲しいときに助けてくれず

して欲しいことはしてくれず、

してほしくないことしかしない。

私の羞恥心しか刺激しない。

早くこの母から逃れなければ。。。

「あと2年の我慢だ!」

これが私の前向きになれるスローガンに変わった。

 

つづく

・・・・・・・・・・・・・・

統制の取れた組織 JWはよく言えば「揺るぎない信念」をもった信者、悪く言えば「全く融通の効かない」頭がガチガチに硬いことでも有名です。

かなり狭い視野にさせ、妄信し、のめりこませるために、とにかくなんでもかんでも禁止にする。

自由を奪うことによって、世間から距離を取らせ、

どんどん視野を狭めていく思想弾圧の洗脳術です。

 

・やらなければならない

・やってはけない

こればっかり言われ続けた人の脳は「義務脳」になり、生き辛くなるそうです。

まるでロボットのような生き方しか許されなかった2世。

生き苦しさは、『脳の記憶修正』をすることで解決するそうです。

 

ノミのはなしは有名ですよね。

ノミは地球上で一番飛べる生物だそうです(体調比)

でも狭い、小さなところに閉じ込められ続けると、外に出ても、飛べなくなっているそうです。

ですが、本当は飛べるんです。私ならできる!と脳の記憶修正をする。

 

鎖につながれた象も有名ですよね。

鎖で逃げられないことを小さな頃から刷り込まれるため、大きくなって鎖を杭ごと抜く力が備わっていても、それを試そうともしなくなる無気力感のことをエレファントシンドローム(象症候群)といいます。

逃げ場のない家庭環境、過干渉な親に厳しく支配されて育った子供は、成長して大人になっても親の言いなりになってしまいやすいことの例えでよく使われますね。

本当は可能性に満ちているのに。

大きな力が備わっているのに。

今までひとりで戦ってきたんだから大丈夫だよ。

自分ならデキる。ここまで耐えてきた自分だからこそデキるんだよ!幸せになっていいんだよと脳に言い聞かせる。

この記憶修正は根気よく、粘り強く、何度も脳に言い聞かせる必要があるのだと思います。

 

 

もし、なにかからの支配から逃れるには最終的には「自分の強い意思」が必要です。

他人軸から立て直す・・・

それは宗教に限らず、毒親、毒夫、毒妻、毒上司、毒友など

毒となるものから逃れるためには、どうすればいいかを考え尽くす必要があります。

残念ながら毒となる人に「口では説得できない」という前提で考えた方がいいです。

 

自分軸で生きるということは「自分の人生を生きる」ということ

他人軸で生きるということは「他人の人生を生きている」ということ

一番自分を大切にする方法「自分軸」で生きるということ。

元2世の永遠のテーマなのかもしれない。

 

 

元2世は本当にそれぞれ沢山辛い思いを乗り越えて今まで生きてこられたんだなと、

こんな環境下だったにもかかわらず、今こうして生きているこるだけでも十分

すごいことなんだと喜ばないといけませんね。

戦い抜いた同志のように思っています。

 

 

 

 

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