ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

人生初のバイト、そして初給料それは県下一の…

中学の校区だと母親から逃げたところですぐに行き先の目処がたってしまい友達にも迷惑をかけてしまうが、高校は校区が広い。簡単には探し出せない。

集会に行かなかったからといって、理不尽な理由からムチで叩かれた時にはすぐに家から出て、逃げられる場所を確保をするべく、友達の家へ逃げる計画でいた。

高校入学してからというものの、元々簡単には人に心を開けられない私はその計画はすぐ頓挫してしまったが、それなりに学生生活を楽しんでいた。

学校の友達は早々にバイトをはじめており、そう簡単に私の都合のいいように

「私の駆け込み寺」というわけにはいかなかった。

そうだ。バイトしてこの家から出ていく資金を貯めるんだった。

私もバイトをはじめなきゃ。

友達の情報から統計をとると、時給のいいバイト先は「ガソリンスタンド」「居酒屋」だった。

(※当時で700円以上)

なるべく短期間で効率よく貯めたかったので私も友達と同じようにガソリンスタンドやファミレス、ファーストフード店で働きたいと思った。

誰だって1時間でもらえる給料が少しでも多い方がいいし、かわいいユニホームにも憧れる。

 

まず履歴書を買って来て、記入していくと保護者の欄というのがあった。

当時はまだ世間を知らない15歳。

バカ正直に母に書いてもらったのが失敗。

バイト先の職種にまで口を挟みだした。

母親の性格から推察すれば当然の流れだろうが

初めてのことで要領を得ておらず、大失敗。

あれやこれや非常識な注文をつけてくる💢

・門限は6時なのだから

 バイトも6時まで(1時間しか働かせてくれるところなんてない)

・火、木、日は集会、伝道優先すること(むしろその日に入れようとしている私)

・近所のスーパーならOK。それ以外は認めない。

・ガソリンスタンド、居酒屋、ファミレス、ファーストフード店は水商売だからダメ!水を触る仕事は全部水商売、ダメダメダメ。

(なんで一括りに水商売になるのだろうか?差別発言や偏見を平気で口に出す。それを聞いた子供はなんて思うかわかっていない。心が狭く、ちっぽけな人間だなと思われるだけ損なこと。だれもそんな人を親とも思えないし、尊敬できないし、軽蔑の目でしか見れない。人を蔑むことは、自分への差別、つまり母子家庭の見下しや偏見を許していることと同じであることを。人のことをあれやこれや言える立場でないことを理解していない。私は差別を平気で口にする母親が一番嫌いだった)

 

家の近くのスーパーのみ許すという。

母親が監視できる範囲、

家からすぐのスーパーなら目が届くからOKなのだろう。

すぐにでも働きたかった私は、間をとって、近所のスーパーで働くことにした。

レジ打ちをしたり、商品の補充、食品のパック詰めなどスーパーの裏側を知れて新鮮だった。

当然のことながら6時迄なんて守るわけがない。

そんな1時間だけ雇ってくれるところなんてあるはずもないし、常識はずれのことをお願いするのも気が引けるし、言えるわけがない。

閉店の7時までシフトを組んでもらった。

集会のある日もバイトで逃げようと思っていた。

それで逃げきれると思ったが、集会のある日になると、末っ子の弟をひきつれてスーパーにあらわれ

「集会の日なのに、何してるの。行くよ」と迎えに来る始末。

バイトで逃げれると思ったがこの手は使えないのか…と目の前が真っ暗になり、愕然とした。作戦失敗。

高校入学と同時にJWの集会からフェイドアウトする計画が安易に崩れた。

作戦変更しなければ…。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

給料日当日、母が店に来て「給料」を渡せというのだ。

初給料なのでどういうタイミングでもらえるのか要領をわかっていなかったし、

夕食支度の時間帯だからレジは混んでいて、こういう時に個人的事情で来られては困る。想定外だ。

 

「まだもらってない」と言ったら

事情を話して今すぐもらってくるように言う。

職場まで来てまで恥をかかせる…。

レジに長蛇の列ができているのにお構いなしだ。

「お客さんに迷惑かかるから帰ってから」と言っても

「もらったらすぐ帰る」の一点張り。

お客さんも夕食前の慌ただしい時間帯ということもあり、迷惑がかかる。

店長も忙しい時間帯で接客中だった。

なんでこんな時間帯に来るかな…空気読めよ

(むしろ迷惑な時間帯を狙ったのは母の作戦だったのかもしれない)

 

店長に事情を手短に話し、給料を出してもらった。

忙しい時間帯にも関わらずわざわざ金庫を開けてもらい、給料をもらい、それを母に渡した。

ワケありの家庭というのをわざわざあけっぴろげにしているようなものだ。

店長やスタッフに恥ずかしいところを見られて顔から火がでるほど、カッコ悪かった。

普通は仕事終わってから「ご苦労様」と言って給料袋を渡されるものを自分から催促するという、こんな人いないだろう。

母親が給料を取りに来るという異様な光景がものすごく恥ずかしかった。

私が恥をかこうとお構いなし。母親はいつも自分優先なのだ。

 

バイトが終わって家に帰って「給料は?」と聞いたら、

「そんなもん言われんでも全額家に入れるもんや」と言い出した。

中学までおこずかいがなくて、ささいなものを買えないつらさを、また高校でも?

それは困る。納得がいかない。

「母子家庭で育ったら全額家に入れるのが普通や」

「母親を楽にしようという気がないのか」

「母親を養ってあげようという思いやりがないのか」

「全額家のために使ってくださいって普通は言うけどな。3人も子供を抱えたお母さんを、お姉ちゃんが支えるのが当たり前なのに、言われないとわからないのか。家のために入れるのが筋や」

卑怯者だと責め、同情を誘う様な言い方で私を黙らせるやり口は相変わらずだ。

まわりの友達は母子家庭でもバイド代は全額自分のものにしていたし、誰も家に入れてる子なんていなかった。

 

家の冷蔵庫に食材がない時はお弁当持っていけないこともあった。

購買や食堂に行けば売っているがそれを買えないつらさ。

空腹を我慢するのはつらい。

お腹の音がなるのも恥ずかしい。

生きる限り、お腹はすくし、筆記用具、生活用品は必ずいる。

やはりお金は必要なのだ。

 

揉めに揉めた結果、給料の1/3を私に渡すならいい。それが嫌なら今すぐ荷物をまとめてここから出て行けというのだ。

ムチで支配を覚えた母親はどこまでも暴君だった。

まだ家に泊めてもらえるような友達関係を築いていなかった私は渋々それを受け入れるしかなかった。

 

母「ありがとうは?」

「もらえるだけでも感謝しろよ?」そういう人だ。

 

しかも「1/3」というのが母らしいと思った。

半分だとダメなのだ。対等なんて母親のプライドが許さない。

少しでも優位な立場にいたいのだ。

折半だとコイツはつけあがる。

半分以上、つまり2/3自分の取り分にしないと

「なめられる」という変な母親のプライドの現れなのだ。

常に優位な立場にいたい。

とことん娘を支配しておきたい。

お金をコントロールして逃げられないようにしておきたい。

出ていけ!と言いながら、出ていかせない卑怯な方法で責めて来る。

 

初給料明細は2万円程度で

およその内訳

(私)1/3   6,600円

(母)2/3 13,400円

 

あんなに働いて6千円?

これでは、身の回りの物を買ったらすぐなくなってしまう。

 

あまりにも安いので時給を確認したら

"時給560円"

これは県下最低賃金だった(※ハローワーク調べ)

時給560円だと、私の取り分はたったの時給186円

クタクタに働いてたったのそれだけ。

 

母親に給料を取り上げられるなんて考えてもみなかった。

これは計画外のこと。

最低賃金で働いている場合ではない。

バイト先を変えなければ!

最低でも700円以上ないとダメだ。

今度は車で5分のところをみつけ

履歴書の保護者の欄はこっちで勝手に代筆した。

少しずつ母親の感覚を麻痺させていこう。

一気に枠からはみ出た行動に出たらややこしい。

焦らず少しずつ枠を大きくしていったらいい。

母親に逐一ホウレンソウしていたら、邪魔ばかりされる。

こっちで勝手に決めて、聞かれことだけ報告する「事後報告」スタイルを徹底した。

車で5分とうい立件地。

母親が気安く来れない距離にしたところ、集会のお迎えはなくなった。

こうやって集会を休む日を増やしていった。

前進したことを喜ぼう。

 

しかし給料日にはちゃっかりバイト先に来て、給料を持って帰っていった。

そして2/3、母親の取り分を抜き、

1/3を

「ありがとうございますは??」と

上から目線で給料を渡される。このスタイルは崩さない。

 

1/3ではなかなか貯まらない。

身の回りのものであっという間になくなってしまう。

少しずつコツコツと貯金して、初めての大きな買い物は自転車だった。

学校まで3駅分あったので丈夫な自転車でないとしょっちゅう故障してたからだ。

一向に貯まらない。

いつになったら自由になれるのだろうか…。

 

ある日、奉仕報告の紙に

「伝道時間 ゼロ」 

「オールゼロ」で提出した。

エホバの証人では毎月末に奉仕活動を報告、提出しなければならなかった。

はじめてオールゼロで提出した。

すると大きく事態が動き出した。

 

つづく

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