ある家族のノンフィクション手記

親兄弟は選べない。家族という病

両親離婚。子どもには選択権ないもの?

父はたまに帰って来てくるけど、それは離婚について話し合いをするためで

話しが終わったら、不倫相手の元に帰っていった。

 

父が家にいないことが当たり前になっていて、私は父に対して「親」というより

顔見知りのよく知っているおじさんくらいの「他人」に近い気持ちになっていた。

人というのはつくづく環境に慣れるもので、いないならいない生活に慣れる。

たまに帰ってくる方が違和感がある。

 

母は離婚してもおかしくないピンチの状況下である認識が足りなかったのだろう。

数年前なら離婚すると言ったら父が焦っていたのだろうけど

今離婚をすると言えば、後戻りできない状況なのに

離婚する気があると見せかけて父の気持ちがまだこちらにあるかを試したり。

もうそういう悠長なことをやっている状況ではないのに。

 

なんとか現状維持を保っていたが状況が一変、

祖父が亡くなったことで父は離婚するために話し合いで前進しないとわかると

先に既成事実を作った。

父の相手方、不倫相手が妊娠したのだ。

子どもが生まれるまでにどうにか離婚して、入籍したい父。

離婚を急ぐようになった。

 

とある日、突然母がこう言った。

「お母さんとお父さんは離婚することになったから。

 お母さんは正志(末っ子)を引き取ることにした。

 よしこ(私)と龍(弟)はお父さんのところに行き。

 お母さんは正志しか見ない」

あまりの突然のことでショックで、返す言葉が見当たらない。

一生懸命にエホバに祈りを捧げても、両親の仲は悪化の一途を辿り

遂には、離婚するという現実。

やはりエホバなんて存在しない!私はそう確信した。

いつか仲直りして、父が家に戻って来ることを夢見ていた。

自分のまわりに親が離婚した子がいなかったので

”両親離婚”のイメージが持てなかったこともあり、

母から突然離婚を切り出された時の衝撃は今でも忘れられない。

まさか離婚をすることになろうとは夢にも思わなかった。

母に離婚する意思があったことに驚いた。

なにより傷ついたのは、

私たち子どもに、両親のどちらについていくかの選択肢さえなく、

両親同士の話し合いによって一方的に決められたことがショックだった。

私と弟を手放すことに対して

寂しさもなければ、罪悪感もない。

 

どちらについて行きたいのか。自分の中でも即時に答えが出せないから

両親の離婚という現実を受け止められないから

「離婚はいや!」と言ったが、母は

「あんたらはお父さんとこに行き。あんたらはいらんねん」

と冷たく言い放った。

母にも離婚の決意ができたようだ。

しかしまるで物のような、ゴミのような扱い。

 

私は弟に「どうするの?」と聞いたら、弟は迷わず即答で

「お父さんについていく」と言った。

こういう時、男の子のほうがドライなのだろうか?

或いは、ムチから解放されたいがためだったのだろうか?

 

私も弟もその不倫相手に会ったこともない。

どういう人なのかもわからない。

人間性がわからない人といきなり生活がはじまるのだ。

ましてや父との間に赤ちゃんが生まれる予定なのだ。

子どもを育てたことがない人が突然親になれるわけがないし、

仮に一緒に住んだとしても、二人の間に血の繋がった子どもが生まれてきたら

きっと私と弟は邪魔になる。

いじめられるか、施設に引き取られるか、

私の新しい道にも明るい未来はないように思えた。

 

母の元にいても、ムチという恐怖。

父について行っても、別の苦労が待っている。

家庭生活が幸せになりますよと信じた「エホバの証人」の教えが全く役に立たなかったことに母はまだ気づいていない。

私はエホバなんて存在しないと確信した。

元から信じていなかったが、祈っても両親がますます不仲になり、離婚という結末に転じて、その時、やっぱりね。架空の神だと

エホバなんて、神なんて存在しないと。

 

…つづく

 

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