たけみちゃんとの聖書の勉強は続いていた。 子ども向けの本で、ひらがなが多く、カラフルで独特のタッチで描かれた挿絵が特徴だった。 内容は近いうちに最後の日が来ること。それをハルマゲドンが来ると呼び、 聖書を学んで聖書の教えを守っている者だけが楽…
父がよそに癒しを求めるのに時間はかからなかった。 職場の部下といい仲になり、だんだんと帰って来るのが遅くなっていった。 はじめは終電で帰って来ていた。 顔をあわせれば深夜からでも喧嘩がはじまる。 喧嘩は神経を擦り減らす。 夫婦仲は日に日に悪化し…
母が聖書を学び始めたのが、「エホバの証人」というカルト宗教で 研究生という位置づけだった。 母が気に入った言葉あるいは教義というのが ①ハルマゲドンが来て、生きのび楽園に行くこと。 ②聖書を学ぶと幸せな家庭を築けると言われたこと ③配偶者がいるの…
ある日、学校から帰ると またそのおばさんが来ていて、机の上になにかの本を開いていて 母と勉強の最中だった。 そのおばさんは佐津間(仮名)と言った。 佐津間姉妹と呼ぶのが正式の呼び方と言った。 姉妹というのは、バプテスマという洗礼を受けて正式に神…
父の転勤で中国地方にいたが、9歳の春、3月末に関西に戻ってきた。 引っ越しの片づけもあって、母がしばらく専業主婦で家にいた。 そんなある日、学校から帰ってくると珍しく知らないおばさんが家にいた。 また別の日も、また別の日も学校から帰ってくるとそ…
…つづき そうこうしているうちに、月日が流れたある日のこと。 父親の転勤解除され本社に戻ることが決まった。確か冬だったと思う。 母が近所のスーパーに行った時、また、たかし君のお母さんに偶然に会った。 その時にはすでに出産を済ませたらしく、 無事…
どのくらい月日が経ったのかわからないが、また事件が起きた。 たかし君のお母さんが妊娠したのだ。 母がスーパーで買い物をしていると、たかし君のお母さんにバッタリ会ったという。 偶然を装って待ち伏せしていたのかは不明だが、女の感では待ち伏せではな…
しばらく洗髪ができない生活が始まり、 ケガの部分をガーゼで貼って、サージカルテープで貼ってもらう。 ケガの周りを剃毛していたとはいえ ガーゼを止めるテープを剥がす時は髪の毛が絡まっていて涙が出そうになるほど痛かった。 洗髪できないことも不便だ…
…前回のつづき 家に着いて玄関で倒れた。 「お母さん」と言う体力も残っていなかった。 母がびっくりして 「キャ~!何があったの?え?え?」 動揺していたのをうっすら覚えている。 通り魔、交通事故と思ったらしい。 そうじゃない。 記憶が薄れる中、気力…
うちの家は共働きだった。 母は医療事務の仕事を、病院2か所と 在宅ワークの医療事務、 日曜日は競馬場の切符売場 掛け持ちで働いていた。 在宅ワークの日はいつもより時間ができるので、スーパーで買い出しをしていた。 スーパーに行く頃合いを見定めてな…
…つづき スーパーでの一件があってから、家の中がギスギスしていた。 家族全員で食卓を囲むのは週末の夜くらいで、 週末になると、父と母がご機嫌でいてくれるため知恵を凝らし、私はひょうきん者に転じた。モノマネしたり、変顔したりして笑わせて、喧嘩に…
…つづき 「さっき、たかし君のお母さんとスーパーで会って、お母さん笑いものにされたわよ。 この前、お宅のご主人とデートしたって。 遊園地に一緒に行ったって。 旦那さんもお嬢さんたちもあなたに内緒にしてるの?おかしいわね。なんで内緒にしてるのかし…
…つづき 私の心の中に納めておけば、秘密にしておけば、家族の平和は保たれる。。。 自分に言い聞かせる。 数日間は学校に行っても授業に集中できず、習い事にも、家でも、例の日曜日のことを思い出しては秘密にしていることへの罪悪感、良心の呵責に苛まれ…
…つづき たかし君と弟がいるアトラクションまで行き、 係員に安全ベルトを締めてもらう。ワクワクしながら乗り物が動き出すのを待ちながらふと父がいた場所を見下ろしたが、さっきまでいたはずの二人がいない。 あれ?どこ行ったのかな? 飲み物でも買いに行…
ある日の休日、父は珍しく私と年子の弟を遊園地に行こうと誘って来た。 当日の朝になってから急に言い出した。 お母さんは? 一番下の弟は? 「(末っ子の弟は)まだ手がかかるからお母さんとお留守番だ」 母も「わたしも行く」と言ったが、 「入園無料のチ…
午前中に自治会対抗の野球試合があり、終わってから打ち上げと称して 大人たちは集会所の奥でおじさんばかりの宴会をはじめていた。 エッグペイント後、遊んでいる子どもの輪の中に たかし君(仮名)がいたが、 「お母さん、家に帰ろう」と言うたかし君に、…
わが家の最初の大事件について触れる前に簡単に父と母の性格について紹介をしておこうと思う。 父 父は外面がよく、人付き合いが得意。 自分に正直に、自由に生きてる。 陽気で楽しい人、ラクな方に流される傾向あり。 都合が悪くなると逃げ足がはやいので、…
父と母はよく言い争いの喧嘩をしていました。 喧嘩の度が過ぎると、食器を投げたりするので、食器の割れる音は日常茶飯事になり、時には窓が割れることもありました。 一番びっくりしたのはテレビの画面が割れた時。 子どもながらに、テレビは放送局と繋がっ…
わたしは長子、1歳違いの年子の弟がいて、4歳下の弟がいます。 年子の弟は弟が生まれるまで親の愛を一心で育ち、泣き虫で甘えん坊でした。 弟の武器は泣くこと。泣いたら親の気をひくことができました。 長子の私が甘えたり泣くすることは許されないし、母…
生まれたばかりの年子の弟(赤ん坊)の世話で手いっぱいで余裕がない母親もまた若いうちに結婚したため、まだまだ未熟な部分も多いひとりの人間。 姉という立場上、自分の子どもらしさを封印し、お手伝いや弟の面倒をみることで、母親の期待に応えることで愛さ…
「三つ子の魂百まで」 3歳頃までに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。という意味のことわざです。物心がつく頃合い、乳幼児期に人格形成の基本が出来上がることを意味します。 これは生まれた順番に大きく影響します。 私は長女として生ま…
はじめまして。私の半生を綴ってます。 わたしは氷河期世代です。 不遇世代・谷間世代・狭間世代。とも言うようです。 会社でいえば、上にも下にも揉まれている世代です(笑) 認知療法 認知行動療法ってご存じですか? 認知はものの受け取り方や考え方とい…